月1万円つみたてNISA 効率的な積立設定 毎日積立と毎月積立を比較
月1万円つみたてNISA 積立設定で迷いがちな頻度と日付の決め方
月1万円からつみたてNISAを始めようと考える際、口座開設の次に行うのが積立設定です。この設定において、「毎日積立」と「毎月積立」のどちらを選ぶべきか、また積立日はいつに設定すべきかなど、迷うことがあるかもしれません。
つみたてNISAによる資産形成は、長期にわたって継続することが重要です。積立設定は、その継続を無理なく行うための大切なステップです。ここでは、月1万円のつみたてNISAを前提に、積立頻度(毎日・毎月)と積立日の決め方について解説します。
つみたてNISAの積立設定で決めること
つみたてNISAで積立を行うには、主に以下の項目を設定します。
- 積立金額: 毎月(あるいは毎日)いくら積み立てるか。今回は月1万円を前提とします。
- 積立頻度: 毎日積み立てるか、毎月積み立てるか。多くの金融機関で選択できます。
- 積立日: 毎月積立の場合は、月の何日に積み立てるか指定します。毎日積立の場合は特に指定の必要はありません。
- 対象ファンド: どの投資信託を積み立てるか。
この中でも、積立頻度と積立日は、長期運用においてどのような影響があるのか、またどのように選ぶのが良いのか疑問を持つ方もいるかもしれません。
積立頻度「毎日積立」の特徴
毎日積立は、その名の通り、毎営業日に設定した金額を積み立てる方法です。月1万円を毎日積み立てる場合、1ヶ月の営業日数で割った金額が毎日積み立てられます。(例:月20営業日なら1日あたり500円)
メリット
- ドルコスト平均法の効果を最大化しやすい: ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品を常に一定額ずつ買い続ける手法です。価格が高いときは少ししか買えず、価格が低いときは多く買えるため、平均購入単価を平準化する効果が期待できます。毎日積立は、購入のタイミングをより分散させるため、このドルコスト平均法の効果を理論上は最大化しやすいと言えます。日々の価格変動リスクをより細かく分散したい場合に適しています。
- 少額投資を意識しやすい: 月1万円を毎日積み立てる場合、1回あたりの積立金額は数百円程度になります。少額から投資を始めるという意識を持ちやすいかもしれません。
デメリット
- 管理が複雑に感じる可能性: 毎営業日に約定(購入)が行われるため、運用報告や取引履歴が多くなります。人によっては管理が煩雑に感じられる可能性があります。ただし、多くのネット証券では、運用状況はウェブサイトやアプリでまとめて確認できます。
- 証券会社によっては対応していない場合がある: 全ての金融機関が毎日積立に対応しているわけではありません。事前に確認が必要です。
積立頻度「毎月積立」の特徴
毎月積立は、月に一度、指定した金額を積み立てる方法です。月1万円を毎月積み立てる場合、月に一度1万円が積み立てられます。
メリット
- 設定がシンプルで分かりやすい: 月に一度の積立なので、設定内容がシンプルで理解しやすいです。
- 管理しやすい: 取引履歴や運用報告が月に一度なので、管理が容易です。家計簿などをつけている場合も管理しやすいと言えます。
- 家計管理との連携が容易: 給料日後など、ご自身の家計のサイクルに合わせて積立日を設定しやすいです。
デメリット
- 価格変動リスク分散効果がわずかに劣る可能性: 毎日積立と比較すると、購入のタイミングが月に一度に限られるため、ドルコスト平均法の効果がわずかに劣る可能性はあります。しかし、これはあくまで短期的な視点での話であり、長期的な運用においては大きな差にならない場合が多いです。
どちらを選ぶべきか?選び方のポイント
毎日積立と毎月積立のどちらを選ぶべきか、これは個人の好みや何を重視するかによって異なります。
- 価格変動リスクの分散をわずかでも追求したいなら: 毎日積立
- 設定や管理のシンプルさを重視したいなら: 毎月積立
- 家計管理との連携を重視したいなら: 毎月積立
重要なのは、どちらの頻度を選んだとしても、長期・分散投資によって価格変動リスクを抑制しながら資産を形成していくというつみたてNISAの基本的な考え方は変わらないという点です。月1万円を継続して積み立てていくこと自体が最も重要であり、積立頻度によるリターンの差は、長期で見ると大きな違いにならないことが多いというのが一般的な見方です。
無理なく、ストレスなく続けられる方を選ぶのが賢明と言えるでしょう。
積立日の決め方(毎月積立の場合)
毎月積立を選択した場合、積立日を指定する必要があります。多くの金融機関では、月の特定の日付(例:毎月〇日)を選ぶことができます。
積立日を決める上で、特にこだわる必要はありません。しかし、現実的な観点からは、ご自身の給料日など、積み立てに充てる資金が確実に確保できる日の数日後に設定するのがおすすめです。これにより、残高不足で積み立てができないといった事態を防ぎ、無理なく継続できます。
特定の日に積立を行うことによる投資成果への影響は、長期投資においてはほぼありません。ご自身のライフスタイルや家計管理のサイクルに合わせて、覚えやすく管理しやすい日を選びましょう。
まとめ
月1万円からのつみたてNISAにおける積立設定は、長期の資産形成に向けた最初の一歩です。積立頻度には毎日積立と毎月積立があり、それぞれに特徴があります。
毎日積立は、価格変動リスクの分散効果を理論上最大化しやすいですが、管理がやや複雑に感じる可能性があります。一方、毎月積立は設定や管理がシンプルで、家計管理との連携も容易ですが、価格変動リスク分散効果は毎日積立にわずかに劣る可能性があります。
しかし、長期的な視点で見れば、積立頻度によるリターンの差は限定的であることが多いです。最も重要なのは、月1万円という無理のない金額設定で、積立を長期間継続することです。
ご自身の家計管理の方法や、管理のしやすさへの考え方などを踏まえ、無理なく続けられる積立頻度と積立日を選びましょう。この小さな一歩が、将来の老後資金形成へと繋がります。